「過去・現在・未来」は全部同時に変えられる
この記事は、スピ系の話ではありません(笑)。どちらかと言えば脳科学的な話です。
私たちは、「過去・現在・未来」の3つを、いつもいっしょに生きています。
これはまぎれもない事実です。
どういうことかと言うと、私たちの体は「現在」に生きていますが、心と脳内でいつも「過去」と「未来」を行き来しているのです。
そして、「現在」を変化させることで、「過去」と「未来」を、同時に変化させられます。
詳しく説明します。
「過去 × 現在」、「未来 × 現在」
梅干しを食べるところを想像してみてください。
いま、あなたの口のなかに、梅干しがあります。
噛まないで、じっくり、味わってみてください。口のなか全部で、梅干しを包んでください。
どうですか?
じゅわ~~って、唾液が出てくる感じがしません?
あの酸っぱい感覚、口の中に広がる感じがしますよね?
この一連の反応が起こるのは、過去にあなたが梅干しを食べたことがあるからです。
「梅干しを食べると、酸っぱい味がして、唾液が出る」って、脳も体も記憶しているんですよね。
でも、実際には梅干しを食べてはいない。肉体と脳は、「梅干しを食べた」かのように反応しているにも関わらず。
いまこの瞬間、あなたの「現在」と「過去」は交差しています。
じゃあ、未来はどうでしょう。
何かをおこなうとき、あなたはつねに「未来を予測」しています。
たとえば、今日ランチに何を食べますか?ランチの後、コンビニに寄っておやつを買いますか?
Q1) 今日はランチに何を食べますか?
⇒ 例えば、とんかつ・ざるそば・イタリアンの3つの選択肢があるとします。
「とんかつの気分だけど、カロリー高いな」
「ざるそばだと、後でお腹すくかも」
「イタリアンはこの前行ったし…」
Q2) ランチの後、コンビニに寄っておやつを買いますか?
⇒ ランチに何を食べるかで、その後の行動が変わります。
「とんかつなら、コンビニ行かない」
「ざるそばにして、コンビニスイーツ食べようかな」
「イタリアンのあと、コーヒーだけ買いに行こう」
いろんな思考がかけめぐり、あなたはひとつの結論に達します。
こういう思考は瞬時なので、あなたはまったく気づかないかもしれませんが、脳内では、
- とんかつを食べて、コンビニに行かない
- ざるそばを食べて、デザートを買って食べる
- イタリアンを食べて、コーヒーを買って飲む
のすべてを、すでに体験しています。
そのなかで、「これが一番良さそう!」というものを、瞬時に選んでいるのです。あなたが「これ!」と選んだとき、未来が確定します。
このとき、あなたは「現在」と「未来」が交差したところにいます。
このように、あなたが何かを考えたり想像したりするとき、「過去 × 現在」「未来 × 現在」はいつも起こっています。
梅干しも、とんかつも、ざるそばも、イタリアンも、これまで食べたことがあって、過去データが蓄積されているからこそ、未来の選択ができます。
「過去 × 現在 × 未来」は脳内でいつも同時に起こっている、のです。
過去も未来も、書き換えられる
さて、過去も未来も、書き換えることができると聞いてあなたはどう思いますか?
これも例をあげて説明しましょう。
あなたが、これまで食べたことのない、「蜜のように甘くておいしい梅干し」というものがあるとします。
まったく酸っぱくない、トロッとした甘さの梅干しです。
もしあなたが、これまで梅干しは酸っぱくて嫌いだったとしたら、この「蜜のように甘くておいしい梅干し」を食べた途端に、あなたにとっての梅干しのイメージが変わります。
梅干し = 酸っぱい = 嫌い
が、
梅干し = 甘くておいしいものもある = 食べてみてもいい
に変わるのは分かりますよね?
とすると、この体験をしたあとは、梅干しについての記憶が上書きされるので、梅干しへのネガティブな感情や感覚はうすくなり、今後は「食べてみてもいい」とポジティブな行動がとれるようになります。
これが、「現在」の体験によって、「過去」が書き換わり、「未来」も変化するということなのです。
こうすれば誰でも「過去」と「未来」を書き換えられる
じゃあ、かならずしも、「記憶の上書きには、体験が必要なのか?」というと、そうでもありません。
記憶のみを書き換えることが可能です。
これは、おもに「過去への意味づけをかえる」ことによって可能になります。
具体的には、こういうことです。
たとえば、あなたが過去にいじめられたことがあり、そのことで自分を「どこか劣ってるんじゃないか」「自分が悪いんじゃないか」と卑下しているとします。
この「過去」のせいで、「現在」「未来」が悪い影響を受けています。
ところが、当時の記憶などを掘り下げてみると、必ずしも「自分が劣っていた」「自分が悪かった」わけではないと気づきます。
それどころか、まったく別の理由だったかもしれません。たとえば
- 自分がまわりよりできていて、嫉妬されていた。
- 当時の担任が、新人で力不足だった。
- いじめっ子が、なにか問題をかかえていた。
などです。
「自分が劣っていた」「自分が悪かった」という思い込みでがんじがらめになっていた「過去」に、別スポットからの光があたって、「過去の意味づけが変わる」のです。
そうすると、「自分が劣っていた」「自分が悪かった」と思い続けなくてもすむようになり、「現在」と同時に「未来」も変わっていきます。
このように「過去の意味づけを変える」ことは、あなたを劇的に変化させる可能性があります。
じっさい、私自身の変化がすさまじいです。笑
なんせ、いかに人から嫌われないか?気に入られるか?に努力の大半を捧げてきた、きわめて「日本人らしいメンタルの日本人」だった私が、嫌われれば嫌われるほど、快感を感じるように変化したわけですから。
人生なにが起こるか分かりません。
私のエピソードは、こちらに詳しく書いてあります。⇒
嫌われれば嫌われるほど、私の快感が加速する