本音を抑圧していると、「強制終了」が何度も起こります。【後編】
前編の続きです。
本音を抑圧していると、「強制終了」が何度も起こります。【前編】
「○○が嫌だ」「○○したくない」という本音を封じ込めてしまう【本音の抑圧】を続けていると、本音の爆発事故が起こると書きました。
それは、結果的にあなたの願いが叶うことにつながりますが、あなた自身を傷つけてしまうことが多いのです。
本音の抑圧をしている人の特徴
本音の抑圧をしている人はたいてい、(私自身も過去そうでしたが)
本人自身、そのこと(=本音を抑圧していること)に気づいていません。
それどころか、自分のことをワガママだとか忍耐力がないとか自分を責めてばかりいます。
そして、周囲や他人を気にしたり、気遣ったりするのに忙しく、自分の本音がどこにあるか?なんて、考えもしないのです。
このような生き方は、生育環境も大きく影響しています。
- 【本音の抑圧】をしないと生きられなかった
(「○○が嫌だ」「○○したくない」と本音を言える環境ではなかった) - 過干渉、または反対にネグレクト(養育放棄)状態にあった
- 本音をストレートにぶつけて他人を傷つけるような人間がまわりに存在し、本音を悪いものと信じて育った(この場合は、本音とは暴言・暴力だと思い込んでいる)
など。
他にいくらでもパターンはありますが、いずれにしても、本音を封じ込めて生きることを人生で決意した瞬間があったのです。
それが、その人にとって『安心・安全』を確保するための手段だったのです。
本音をありのままに認めたり表現したりすることは、下手をすると『安心・安全』を脅かすことなのです。
本音の爆発事故を防ぐためにどうしたらいいのか?
となると、どうすればいいのか?
本音の爆発事故がおこらないように、自分自身を傷つけないように抑圧された本音を解放してやるにはどうしたらいいのでしょうか?
真っ先におこなう大切なことは『安心・安全』の確保
それにはまず、『安心・安全』の定義を書き換えなければなりません。
どんなときに安心するのか?どんなときに安全だと感じられるのか?
もしあなたが【本音の抑圧】をしている当事者ならば、まず最初に、少なくとも、ひとりで過ごす時間を大切にすることをおすすめします。
周囲に誰もいないとき、少なくともあなたは他者に言葉や肉体で傷つけられることはありません。
もし一人きりでいても誰かがあなたを傷つけるような気がするならば、あなたを傷つけているのは、他ならぬあなた自身だということに気づくのです。
次に、
- 何をしているとき
- どこ(場所)にいるとき
- 誰と一緒にいるとき
あなたは緊張せずにリラックスできているのかを考えます。
あなたにとっての、『安心・安全』の象徴を見つけ出すのです。
そしてそれらと接触する機会を徐々にでも増やしていき、
「これをしているときは心が安心する。安全だと感じる。リラックスできる」
「この場所にいるときは 〃 」
「この人と一緒にいるときは 〃 」
というように、心と体に『安心・安全』の感覚を深く沁み込ませていきます。
なぜこれを最初にするかというと、『安心・安全』とは生物が生きていくうえで土台となる重要なものであり、その土台を整えることによって、自分自身との深い対話が可能となるからです。
これは、自分を大切にする・自分を愛するための、第一歩です。
本音の解放をしていくための前段階としてお伝えしました。
本音の解放は焦らずゆっくりと
【本音の抑圧】を解放していく段階には、何段階もあります。
最初に取り組みやすいのは、「なにが食べたい・飲みたい」「そろそろ眠りたい」というような、生理的欲求を丁寧に扱っていくことです。
生理的欲求は、頭でアレコレ考えなくても、直感的に感じることがしやすい欲求です。また、それに応えることで、どのくらい心と体が満足するか自分で測定しやすい欲求だからです。
食事時間が近づいたら、「私はいま何を食べたいかな?」と、欲求を感じる時間をあえて作ってみてください。
最初のうちは「カロリーが…」などと考えてうまくできないかもしれませんが、「私の舌は(胃腸は)何を求めてるかな?」と、器官の声を聞いてみる、という遊び感覚で進めてみるのも良いでしょう。
そして、食べたいものが出てきたら、その欲求を丁寧に満たすことを大切にしてみてください。
ふだん我慢して食べないようにしているとかの制限も、このさい少しゆるめてみましょう。
【本音の抑圧】を解放するステップとして、これまでおざなりにしてきた自分との対話をしてみてください。そして、欲求を満たすことの喜びを感じてみてください。「舌が喜んでる」など、器官の反応も感じてみてください。
その時折で、出てきた感情を、ひとつひとつ丁寧に感じていきます。これまで我慢してきたというネガティブな感情も、ちゃんと味わっていきます。
どれだけネガティブな感情でも、ちゃんと感じきってしまえば、安心安全に消えていきます。
「本音」を解放していくプロセスは、ゆっくりと段階的におこなっていきます。
生理的欲求を満たす(=体の声を聞いて満たす)ことができるようになったら、今度は思考も使いながら、知的欲求や社会的欲求も少しずつ満たしていくプロセスに進んでいきます。
もちろん、この欲求には、「◎◎したくない」「◎◎はイヤだ」という否定の欲求も含まれています。
パートナーが本音の抑圧をしているように思えるとき
上で書いたように、【本音の抑圧】の解放は、時間がかかることも往々にしてあります。
ですから、たとえばあなたのパートナーや親しい人が【本音の抑圧】をしているように見えたとしても…
それを「解放させてあげたい」「私が解放してあげなくちゃ」と焦るのは早計かもしれません。
それよりもまず、あなたと一緒にいて相手がリラックスできているか?を注意深く見てみてください。
この場合、相手に聞くのではなく「観察する」のが有効です。
あなたと一緒にいることで『安心・安全』を感じてくれるならば、あなたが彼・彼女の本音を解放する大きな助けになるかもしれません。
いずれにしても、焦らないことがとても大切です。