心理カウンセリングとの出会い~それに限界を感じるまで①
私が心理カウンセリングと出会ったのは1999年でした。
その前年3月に大学を卒業し、新卒で入った会社でうつ病を発症したのがきっかけです。
第一志望で入った会社ですが、外資系で、1年目から大きな仕事を任されることで有名な企業でした。
ですが、私のスキルや成果が会社の求める基準に達していなかったのと、残業が月100時間を超えるオーバーワークになっていたのとが原因です。
もともと、真面目で神経質で、感情を内にためこみやすい性格だったのもうつ病になりやすい要因だったと思います。
会社の産業医の診断をへて、神経内科や精神科に通院することになり、投薬治療とともに臨床心理士の心理カウンセリングを受けることになりました。
これが、初めて心理カウンセリングを受けた経験です。
その先生のもとに、月に一度、1回1時間、一年間通い続けました。
このときのカウンセリングは、正直に言うとそれによってあまり癒された感じはなかったのですが、私が淡々と語る話を、先生もまた淡々と聞いてくださるのはそれまでにない経験で、私は「心理カウンセリング」に興味を持ちました。
ちょうど、うつ病という心の病や、それに対応する学問としての心理学、手法としての心理カウンセリングが日本で注目され始めた時期です。
人間心理にはもともと興味が強かったですが、それを本業にしたいと思ったことはなかったのです。
受験勉強や就職先の内定獲得など、勝ち負けと競争のまっただなかに生きてきたので。
ですが、人間心理と、それを癒す方法を知ることで、私は自分も救われたいし、他人の役にも立ちたいと思うようになりました。
まだ何も始める前から、なんとなく、「私の本職はこっちだ!」という直感がはたらいていたように思います。
(2000年の写真。病気と投薬でもっとも痩せていた頃)
新卒で入った会社は休職ののち退職。
これでキャリアウーマンへの道は完全に閉ざされた、と当時の私は思っていました。
それでも仕事のプレッシャーから解放されたことで、うつ病はその後ゆっくりと快方に向かいました。
私は法学部卒業ですが、時期を前後して臨床心理士になろうと教育学部・教育心理学科に学士入学を試みました(実際に受験し、不合格)。
はたまた、医学部に入り直して精神科医になろうか?心理学の研究・臨床が進んでいるUSの大学に留学しようか?なども考えましたが、25歳という年齢と、「はやく結婚したい」という望みがあったため、それらも断念。
「心理カウンセリングを勉強して、それを本業としていずれやっていく」という道にしぼって、民間のカウンセラー養成学校に通い始めました。
これが2001年の春です。