子供との関係を修復するのに、「今さら遅い」は絶対にない。
2010年11月の写真です。私もさすがに若い…そして眉毛が時代を物語っています(笑)。
一緒に写っている赤ちゃんは、当時生後10か月の長男です。いま、彼は小学2年生になりました。
FBの「過去のこの日」で思い出した、長男がベッドで泣いた日
さて、Facebookって、「過去のこの日」という機能がありますよね。
【1年~数年前の同じ日】に自分が投稿した内容が表示されてくる機能です。
先日、1年前の自分のこの投稿が、タイムラインに上がってきました。
【息子にハートをぶち抜かれた件】
長男と次男は、基本的に人の話をまったく聞いてない(笑)
なのですぐママに怒られる。長男、『ごめんなさい』とションボリ。
続けて、
ママは僕のこと、嫌い?と聞くので、
大好きだよーって伝える。どうしてそんなこと言うの?と聞いたら、怒られたから…って。
そっか〜…怒ってごめんね。大好きだよ、と答える私。
世界で一番?
うん、世界で一番好きだよ。大好きだよ〜大好きだよ〜
なんだか、とっても大事なことだと思ったので、今夜はしっかり目を見て言いました。
忘れないで。ママがどれだけ怒っても、ママは世界で一番きみが好き。分かった?って聞いたら、うん、分かった、と答えた後…
ベッドに潜り込んで、長男がシクシク泣き出した∑(゚Д゚)え、どうしたの?!
焦って聞いたら、ママが大好きって言ってくれて、嬉しかったの…
そう言って泣く彼。うわーー!!
ハートがぶち抜かれます。明日ね、お手紙書いてほしいの。僕のこと好きって、お手紙書いてね。
涙を拭きながらリクエスト。書くよ!書く書く!!
何枚でも書いてあげるーー!!傷つきやすくて、ママの愛を底なしに欲しがるのは、きっと子供の真実の姿。
ストレートに表現してくれて、ありがとう。
ママは、あなたのママで、世界一幸せです。
息子よ、大好きだよーー!!!
そして翌日、約束どおり書いたのがこれ( ↓ )。「賞状がほしい」と言ってきたので、リクエストどおり賞状みたいに書きました(笑)。オール手書きだけど。
この賞状(笑)は、いまでも、長男の勉強机のとなりの壁に貼られています。すごく嬉しかったみたいで、渡したらすぐに「貼って!」とねだられました。
でも、私はこの1年前の思い出を読み返してみて、
「私と長男の心の距離が、この1年でめちゃくちゃ縮まったんだ!」
と気づいたのです。そのことも、同様にFacebookに投稿しました。
1年前にこんな投稿をシェアしていましたが…
この日からちょうど1年、息子(長男)との心の距離が、すごくすごく近づいたのを実感しています。
最近、朝起きておはようを言う時や、学校から帰宅してただいまを言う時、私のもとに直行して、『ママ、ぎゅー♡』と抱きついてくれるのです。
もともと、照れ屋の長男。
言いたいことも言えず、我慢しがちで、すごく神経質。
そんな彼が、オープンマインドで、抱きつきに来てくれるのが当たり前になるなんて、この1年前は信じられなかった。
大好きだよ・大事だよって、地道に、言い続けてきて良かった( ;∀;)
あと何年かしたらイヤでも思春期を迎えるんだから、残された期間の蜜月を堪能します!
いまの長男は、「僕は嫌われてなかったんだ…」と思って、ベッドのなかで涙することはありません。
それは、「ママは僕のことが大好き」ってことに、信頼を置いているから。
ハグを求めに行って、拒否されることに、恐れがないからです。
でも、1年前の長男は、そうではありませんでした。
「もしかしたら、ママは僕のことが嫌いかもしれない」「ぎゅーしてってお願いしても、ダメって言われるかもしれない」
そんな恐怖が少しでもあると、子供は、言えなくなってしまいます。
1年前に、長男が勇気を振り絞って、「ママが大好きって言ってくれて嬉しかった」と涙の告白をしてくれたからこそ、ふたりの心の距離が少しずつ縮まりました。
1年前のあの夜は、まちがいなく、私と長男の関係が劇的に修復されるターニングポイントだったのかもしれません。
あのとき、
「忘れないで。ママがどれだけ怒っても、ママは世界で一番きみが好き。」
って、言えて良かった!!
ママは僕のこと、嫌い?という質問に、「そんなわけないでしょ」とサラッと流してしまっていたら、いま、ハグを求めに来てくれることなんて、なかったかも知れないです。
そしたら、今の幸せはなかったんだ…と思うと、想像しただけで恐ろしいです。
子供との関係を修復するのに、「今さら遅い」が絶対にない理由
さて、そのように書くと、もしかしたらこんな風に思う人がいるかもしれません。
「真理子さんのお子さんはまだ小さいから間に合ったんだ」
「ウチはもう子供が大きいし、それどころか恨まれてるかもしれない…」
「今からでも子育てをやり直せるならやり直したい」
…つまり、もう今さら無理だと信じてしまって、「遅すぎる後悔」を感じている人です。
でも、はっきり言います。親子の関係を、「より良くしたい」「修復したい」と考えるとき、「遅すぎる」ということは決してありません。
そして、不可能ということも、ありません。
(もし不可能だと思うなら、それは、「不可能ということにしたい」のです。不可能だと決めつけてしまえば、挑戦する勇気を出さなくてもすみます。)
もちろん、「難易度が高い」「心理的なハードルが高い」「時間がかかる」ことはあります。
でも、不可能ではないのです。なぜなら、記憶は、上書されるからです。
「思い出すときに、その人にもっとも都合が良いように改変される」のです。
セラピストやカウンセラーなら当然知ってることなのだけれど、一般の人が知らないことに「記憶はいくらでも改ざんできる」というのがあります。
人の数だけ記憶があるのは勿論のこと、同じ人の記憶でも、いくらでも上書き記憶されるのです。
専門用語で「フォールスメモリー」といいます。— 田中真理子@心理セラピスト (@marikotanaka107) 2018年1月24日
これのせいで、記憶に頼る裁判証言の信用性が揺らぐというデメリットがありますが、「記憶が上書きされる」ことのメリットは計り知れません。
起こった出来事そのものは変わらなくても、そこへの意味づけが変わるのです。
それのおかげで「救われる」例はいくらでもあります。— 田中真理子@心理セラピスト (@marikotanaka107) 2018年1月24日
たとえば、あなたが失恋してしまったとして、その直後は「この世の終わり」というくらい悲嘆に暮れていたとしても、その悲しみや絶望が、5年も10年もずーっと同じように続くでしょうか?
続かないですよね。
それどころか、その失恋のおかげで、その後「別の運命の人」に出会えたとしたら、「あのとき私を振ってくれてありがとう!」と、相手の人に言いたくなるかもしれません。
とすると、その失恋は「絶望的な出来事」ではなく、「運命の人に出会うための大切なプロセス」に書き換えられます。
過去の事実は変わらないのに、それを思い出した時にその過去への意味づけが変わるので、記憶のなかの出来事までが変わってしまいます。
ののしりあって別れたはずの二人が、握手をして別れた…くらいに美化されて記憶が改変されてしまう。こんな不思議なことが起こるのも、この記憶の性質のせいです。
あなたにとって、「すでに乗り越えてしまった苦しみ」については、もはやその当時のように胸の痛みをリアルに感じることができないのは、その過去の記憶が上書されているせいです。
親子関係においても、記憶の改変は起こります。
あなたの記憶と、子供の記憶は、同じではありません。
そして、あなたの記憶は、いくらでも変わっていきます。(変えることも、できます。)子供の記憶も、変わっていくのです。
もしあなたが「遅すぎる後悔」を抱いているのなら、それをいま手放さないと、あなたは残りの人生をずっと後悔し続けることになります。
「遅すぎる後悔」の手放し方
あなたが過去、子供に対して「申し訳ないことをしてしまった」「許されないことをしてしまった」とひどく後悔しているとしても、その過去にしっかりと向き合い、気づきと学びを得ることはいつでもできます。
もしも謝罪をする必要があるのだとしたら、いま、すればいいのです。
子供が、実際にゆるしてくれるかどうかは分かりません。なかには、子供と二度と会うことができない状態の人もいるでしょう。でも、それでもやることは同じです。イメージのなかで心から謝罪をします。
ここでのポイントは、ゆるしを得られるかどうかではありません。なんだったら、ゆるしてもらえなくても、いいのです。
あなたが、心から、申し訳なかったと伝えることが大事です。
そして、同時に、その後悔と謝罪の真意である「本当に伝えたかった思い」も、伝えます。
どれだけ、大切に思っていたか。どれだけ、愛していたか。どれだけ、大好きだったか。
この思いも、受け取ってもらえないかもしれません。本人に、伝えられないかもしれません。
でも、イメージのなかで心から伝え続けます。
「言い訳をいっさいしないこと」がとても大事です。
伝えるのは、「ごめんなさい」と「大好きでした(です)」の2つだけです。本人に言えないのであれば、イメージのなかだけでも何度も何度も繰り返します。
もし、どうしても言い訳や怒りが出てくるならば、心理カウンセラーや心理セラピストの助けを借りながら、あなた自身の痛みや傷を先に癒す必要があるかもしれません。それでも、かならず終わりがあります。
大丈夫です。
この行為によって、あなた自身が変わり始めます。そして、ゆっくりとあなたの過去の記憶が変わり始めます。
心理カウンセリングや心理セラピーの現場において、私は、記憶が上書きされるからこそ、人は過去のどんな出来事も乗り越えていけると考えています。
過去を変えられない、とよく言いますが、それは嘘です。過去は、いくらでも変えられるのです。
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