珍しく昔の恋を語ってみた。23歳小娘がはじめて知った「大人の別れの美学」

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最近、「Twitterでよくつぶやいてます」とメルマガなどにしょっちゅう書いています。

そんななか、今朝ふっとツイートしたのがこちら。

 

 

なんの脈絡もなく、昔の記憶がふっと蘇って、連続ツイートになりました。

元の連続ツイートは、上の埋め込んだTwitterリンクをクリックすれば見られます。

この連続ツイート、フォロワーさんなどにまたたく間にリツイート(シェア)・いいねされたので、もしかして記事にしたほうがいいのかも?と思ったので、書いてみました(笑)。

こういうブロガーのようなブログ記事を書くのは初めてで、ちょっと緊張しています。

 

ただ先に書いておきますが、この彼とはその後、最終的には円満にお別れしています。
現在連絡を取ることは一切ありませんが、彼も結婚して現在幸せに暮らしていると聞いていますので、彼個人については詮索なさらないでください。

そもそも、私が元ツイートで伝えたかった内容の目的に彼は関係ないので。

 

伝えたかったことは、当時、母からもらったアドバイスです。

 

23歳のコムスメが、母親からもらった「別れの美学」と「儀式」

私は大学卒業後、企業に就職して、彼の家から電車で約2時間くらいのところに一人暮らししていました。会えるのは月に2~3回くらい、主に週末のみでした。

あるとき突然、電話で「他に好きな人がいる」と言われたのです。

もう、私は頭真っ白。
それより少し前から、電話でもすこし声のトーンが元気ないな…くらいには思ってたのですが、まさか彼の気持ちが他に行っているとは露ほども思っていませんでした。

そして、彼から「今から会って話したい」と言われたのです。今から家に行く、と。

彼はどうしていいか分からないと言っていましたが、もうこれは会ったら最後、別れ話になるなと予感していました。

 

 

今から思っても不思議なんですが…なぜか私、女友達とかじゃなく、和歌山にいる実家の母親に電話をかけていたんです。

それまで一度も、母親に恋愛相談なんてしたことないです。

ただ、大学の卒業式の時に彼を母に会わせて紹介していたので、それもあって、母に相談したくなったのかもしれません。

 

母親って、すごいですよね。娘の様子がおかしいってことに、第一声で気づきました。
「どうしたの?」と言われた瞬間に、それまで一滴の涙も出てなかったのに、母親の声を聞くと同時に号泣してしまいました。

泣きながら、彼に他に好きな人ができたと言われたこと、いまから彼が会いにくること、でもどうしたらいいか分からないこと、私は別れたくないこと…を伝えました。そしたら。

 

 

もう、ビックリしました。

もし母と電話をしなかったら、彼が到着するまでの2時間弱、ずっと呆然と座りこんでいたか、グチャグチャの状態で泣き続けていたかのどちらかです。

少なくとも、「綺麗にしよう」「彼を笑顔で迎えよう」「お料理でもてなそう」なんて、0.1ミリも考えつかなかっただろうと思います。

 

 

私は、電話を切った後、母が言ったようにお風呂に入ってメイクをしました。そして、部屋を掃除して、彼が来るまでのあいだ料理を作って待っていました。

この「彼が来るまでのあいだ」に淡々とそういう「作業」をしてるあいだ、だんだん私の頭のなかがクールダウンしてきて、少しずつ「別れの覚悟」のようなものができてきたんだと思います。

 

到着した彼は、驚いて戸惑ってました。

きっと彼も、私自身が予想したように、私が呆然と座りこんでるか、グチャグチャの状態で泣き続けてるか、どっちかだろうと思っていたと思うのです。

そして、心移りを責められるなど、修羅場が待ってるだろうなと予想していたと思うのです。
でも、そんなことにはなりませんでした。

 

結局、私のほうから「これで終わりだね。いままでありがとう」と言ってお別れすることになりました。私は、母に最初電話したときは「別れたくない」と号泣していたのに、彼に「別れたくない」とすがることはしませんでした。
最後は彼のほうこそ別れたくないと泣いていました。

その意味では、彼に「良い印象を残したまま別れる」ことに成功したわけです。
もしグチャグチャの修羅場を迎えていたら、それはあり得なかったです。

 

 

いま思い返しても…母親のアドバイス、めちゃくちゃすごいと思うのです。

だって、当時の私は大学卒業したて就職したての小娘です。
心配することは山ほどあっただろうし、ただでさえ遠くに住んでいて普段会えないのに、その娘がいきなり泣きながら電話してきて、「彼氏に浮気された。別れ話になりそう」なんて言ってきたら…

当時の母は、まだ40代です。
いまの私より年上だけど、それでも、母の心情は子どもを持った今の私なら想像できる気がします。
どれだけ心配で、どれだけ心を痛めたか。そしてどれだけ相手の男に腹を立てるか(笑)。

 

もし今の私が母の立場だったら、あんなふうに冷静に、

「泣くのを今すぐやめなさい。お風呂入って、綺麗にお化粧しなさい。そしてお料理作って待ってなさい。彼を笑顔で迎えなさい」

なんて言えるだろうか…。正直、まったく自信がないです。

というか、いまだ、「お母さん、すごいわ…」という言葉しか出てきません(笑)

 

 

「綺麗にして、笑顔で、責めずに、うまい料理でもてなせ」

「すがらず、手を離しなさい」

このことを、ただのテクニックだと解釈してしまうと、とてももったいないと今の私は思います。

 

結局、これって別に男の心をつかんで離さない、というだけではなくて(しかも、たぶん女心をつかんで離さない方法でもあると思います(笑))「相手に依存せず生きる」ことの本質をついてるなと思うのです。

実際、私は母との電話を切った後、お風呂に入ってメイクをし、料理を作る…というプロセスを経ているうちに、どんどん自分で自分の心を立て直すことができたので。

 

「別れたくない」という思いは、当時、もちろん一番の望みだったですが、「すがって修羅場になって無理やり引き留めてもムリ」というのは、頭で分かっていました。

そういうとき、「最悪の自分になりたくない」という矜持というかプライドのようなものは、最悪の醜い自分にならずに済む、最終ラインのような気がします。

お風呂に入ってメイクをし、料理を作る…という行動は、その最終ラインを取り戻す「儀式」だったんだな、と今になって思います。

 

20年近く昔の話ですが…いまさらだけど、お母さん、ありがとう(笑)

 

Twitterでたくさん反応をいただきました(笑)

 

母を褒めてくださった皆さま、ありがとうございます。

ちなみにそんな母ですが…

 

 

果たして「大人のイイ女」かというと微妙なところでして…

自分のパートナー(父)相手とは、ときどき低次元の争いを繰り広げています(笑)おあとがよろしいようで♪

 

いつもと毛色の違う記事ですが、楽しんでいただけたら幸いです。