あなたを幸せにする「怒り」
一般的に、怒り・妬み・憎しみ・嫌悪感etc.などのネガティブな感情は、手放したほうが良いとよく言われます。
たしかに、それはそうでしょう。病気を招く原因になったり、不幸を長引かせる原因になったりしますから。
でも、「怒り」があなたを幸せにすることがあると知っていますか?
それは、
です。この「怒り」は、絶大な威力を発揮します。私自身、過去を振り返ったとき、この種の怒りは確実に私を幸せな方向に導いてくれました。
あなたは今まで、こんな体験や、これに類する経験をしたことはないでしょうか。
- ブラック企業で働かされ、悲惨な目に遭っていた
- イジメや暴力、ハラスメントに苦しめられていた
- 日常的に家族に嫌がらせされていた
など。つまり、日常的に理不尽なことを言われたりされたり、我慢を強いられ続けた経験があるかどうかです。
もしかしたら今日の記事は、現在進行形でそのような状況にある人にとって、一種の福音になるかもしれません。
経験者は知っている。我慢から抜け出すときの「猛烈な怒り」
さて、もしあなたが過去にそういった経験をしたことがあり、無事にそのような状況から抜け出せた”経験者”だとしたら、
- ブラック企業を辞めようと決意した瞬間
- イジメや暴力にやられっぱなしなのを辞めようと決意した瞬間
- 家族の嫌がらせから逃げようと決意した瞬間
のことを、覚えているでしょうか。
私は、覚えてますよ。サイコパスの餌食になっていた時代が長くあり、その苦痛に耐えきれず、「もういやだ!こんな状況から抜け出す!」と決断したときのことを。
それまで、目の前にずーっと掛かっていたモヤのような曇りが晴れ、一気に視界が明るくクリアーになったのです。それはまるで、視力が0.1から2.0に回復したかのような変化でした。
それと同時に、内側からふつふつと、でもたぎるような【猛烈な怒り】が湧き起こりました。
私の場合、相手(加害者)への怒りももちろんありますが、それよりも、「自分自身への怒り」のほうが圧倒的に大きかったです。
「なんであんな人の言いなりになっていたの?!」
「私、本当にバカだった!」
「時間とエネルギーを膨大にムダにした!!!」
それは、まさしく(汚い表現ですが)「反吐が出る」という言葉がピッタリの感情でした。目が覚めると同時に、猛烈に湧き起こったのです。
でも、この怒りは、私にとっては「感じるべき怒り」でした。
この怒りのおかげで、過去のドロドロした感情を完全に燃焼させることができ、
過去と訣別して人生を大きく前進させることができ、
自己肯定感を圧倒的に回復させることができました。
私の過去のサイコパスとの体験は、note記事に書かれています。
サイコパス・ホイホイ
支配者は、あなたの罪悪感と無価値感を上手に刺激する
それまで、長きにわたり苦痛に耐えていて、我慢するのが当たり前だったので、「イヤだ」「不快だ」という心の叫びに、ずっと蓋をしていました。
もちろん、私を苦しめる相手(加害者)に対しては、時おり何らかのサインは出してきました。できない、無理、という拒絶も、何回かに一回くらいはしてきました。
でも、「完全な拒絶」はしてこなかったのです。(できなかった、勇気がなかった、と表現したほうが正しいでしょう)
それどころか、相手の要求に完全に答えられない自分を責める感情のほうが圧倒的に大きく、
- 「ダメな私でごめんなさい」という罪悪感と、
- 「ちゃんとできない私には価値がない」という無価値感
に完全に冒されていました。
罪悪感と無価値感に冒されているとき、人間は、理不尽な支配に対して「NO」と言えなくなります。
加害者はそこにつけこんでくるのですから、さらに悪循環になります。
いま、もしあなたが、
- ブラック企業で働かされ、悲惨な目に遭っている
- イジメや暴力、ハラスメントに苦しめられている
- 日常的に家族に嫌がらせされている
ならば…
いまあなたが、もっとも自分に許すべきものは、「怒り」の感情です。
もっと頑張らなくちゃ…とか、私が◎◎じゃないから…とか、自分を責めるのはストップしましょう。このまま続くと、いよいよ病んでしまいます。
怒りの効能
あなたは、怒らなければいけないのです。
あなたは今、「ダメな私」「足りない私」「価値がない私」というように、自分の欠点や弱点にばかり、目が向いています。
ですが、世の中には完璧な人間なんて誰ひとり存在しません。
そして、あなたを支配していい人間なんて、世界中で、あなた以外にはいないのです。どうかそのことに気がついてください。
あなたを苦しめる人は、あの手この手であなたを支配し続けようとしています。
そして、あなたの苦しみは今後も続くかのような呪いをかけてきます。「もっと頑張れ」「もっと我慢しろ」と、あなたにすすめてきます。
でも、もう一度書きますが、「あなたを支配していい人間は、世界中で、あなただけ」です。
もし、「私を支配していい人間は、世界中で、私だけだ」という言葉を心のなかで唱えてみて、怒りが湧いてくるなら、その怒りをどうぞ正当化してください。
そして、これまで苦しみ続けてきた自分を、「よく耐え抜いたね」と慈しんであげてください。
これまで、「がんばれ」「まだまだ」「もっと」と自分を叱咤するばかりで、支配者(加害者)と同じ目線で、自分を痛めつけてきたのです。でも、もう自分自身を痛めつけるのを、どうかやめてください。
この「自分自身を慈しみ、これ以上痛めつけるのをやめる」「自分を大切にする」という感情を呼び起こすために、起爆剤となるのは、「怒り」です。
そのためには、支配者に対して、「ふざけるな!!!」と怒る感情を持っていいのです。
たとえあなたが30代、40代、またはそれ以上の「いい大人」であったとしても、その先にまだまだ長く続く人生のために、あなたは「怒り」を自分に許可する時がきました。
理不尽な支配に怒れない人は、自分を大切にすることが、真の意味ではできないのです。そのことを、どうか忘れないでください。
怒りの感情は発散させて変容させる
ただ、怒りを、怒りのまま放置させることは、おすすめしません。
怒りを解消せず、放置してそのままにすると、その怒りは恨みに変わり、最終的にふたたびあなたを苦しめる要因になってしまいます。
支配者への怒り、または過去の自分への怒り(=被害者になってしまった自分自身への怒り)は、しっかり発散させることをおすすめします。
怒りの解消については、さまざまな方法がありますが、ひとりでできる簡単な方法としては、「怒りを紙に書き出す」ことを私はクライアントさんにご紹介しています。
もちろん、ヒーラーなどの専門家の力を借りれば、「支配される/被害者ポジションをとる」ことのメカニズムを根底から変えることもできるので、おすすめします。
いずれにせよ、怒りが救いのきっかけになることもあるのです。
「怒らないこと、怒れないこと」が、必ずしも良いことばかりとは言えず、逆に危うい状態につながることもあるのです。
理不尽な支配に対しては「NO」を言い、自己肯定感をしっかり育てていきましょう。